私の兄が、精神障害者です。

私の兄が精神障害者です。兄は学校を卒業後、就職をしてから病気になりました。
ストレスが溜まると、幻覚が見えて、幻聴も聞こえてくるらしく、わめきたてます。
精神科に通院するようになってからは、薬を飲むようになりました。
しかし強い薬の為に、物覚えが悪くなり、簡単な仕事しかできないようになってしまいました。
仕事をしても、見た目と仕事の出来が悪い為に、何度も転職をしました。

私は兄を、ずっと大嫌いでした。
自分勝手で、わがままで、家族に迷惑をかけてばかりで、そのくせ、他人をバカにする。そんな兄を溺愛する両親も大嫌いでした。

それから長い長い、年月が過ぎました。
私たち家族も年を取りました。

そんな時、雨の日。警察から、連絡が取れなくなっていた兄を保護したと電話がありました。
再開した兄は、まるで別人。
痩せて、独り言を呟いていました。
今まで見たこともないほどに顔面が歪んでいました。

私は初めて、兄に同情しました。

人の手助けと支援団体の方たちの支えもあり、生活保護費を受給できるようになりました。あと障害者手帳五級も貰えました。

私はやっと、ほっとしました。

しばらくして朝、偶然、コンビニで兄と会いました。
軽い仕事を始めており、出勤前に立ち寄ったそうです。
買った物は、安い菓子パン1つと、コーヒーだけでした。兄は大食漢でかなり太っていましたが、あの雨の日以来、痩せています。食欲がなくなった訳ではありません。お金があまりないからです。

国から、大切なお金を貰っています。
しかし、やはり足りない様子です。
食べることを我慢していました。

多くのことを学びました。
兄から、他人から。

人を助ける行為は美しい。
他人の為に働ける人は気高く、志しの高い人。

それでは自分は?

最後まで、今の私の気持ちを忘れない為にも、人に私の体験を読んでもらいたいです。